みなさん、こんにちは‼
今回のコラムでは、アパレル製品の品質を決めるのに縫製とならんで重要な生地(テキスタイル)の品質を決定する染色について、お話しようと思います。
今更ですが、染色とは、色のついていない生地(生機:キバタ)を、その素材にあった染料を使って色をつけることです。この染色を染色工程・染料(染色する溶剤)・染色による問題点に分けて紹介していいきます。
今回のコラムでは、理解しやすいTシャツやトレーナー・パーカーなどの丸編生地の染色工程について紹介しようと思います。
目次
染色工程
まずは、染色する染色工程について紹介していきます。染色前の生地は生機(キバタ)と言います。生機は、シャツ地のような薄い布帛(フハク)生地は1反(タン)100m、トレナー・パーカーのような丸編生地では20〜30mと生機の種類によって違います。
【染色工程の流れ】
A:結反
結反とは1反1反製造された生機を、染色する量に合わせてミシンでつなぎ合わせる工程です。1色300kgの染色場合は、トレーナー・パーカー用の生地なら20反(450枚)ぐらいが目安です。つなげた生地を下記の動画のように染色機の中で下記のB:精錬・漂白、C:染色・ソーピングします。
B:精錬・漂白
生機についている油分や汚れを落とし、その後染料が生機に浸透しやすくする工程です。真っ白なTシャツなどは、この工程の後 D:脱水に移ります。
C:染色・ソーピング
B:精錬・漂白工程が終わり生地に染料を付ける工程です。薄い色(淡色:タンショク)は、染料が生地に吸着するまで約4時間、濃い色(濃色:ノウショク)は8時間ぐらいかかります。
染色が終われば、生地に吸収されていない染料を洗い落とす工程ソーピングでこの工程は終了です。
【動画:生地染色】
D:脱水
ソーピング終わりの生地には多くの水分を含んでいます。この生地を遠心脱水機で脱水しできる限りの水分を落とします。
E:乾燥・仕上げ
脱水で若干水分を含んでいる生地を乾燥し仕上げします。この段階では、生地の歪みを修正したり、生地の収縮率を安定させたり、機能加工の場合の薬剤を付与したり、風合いを柔らかくする柔軟剤を付与したりします。
これら一連が大まかな染色工程です。
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染料
生機に色をつける染料は、生機がどのような素材で作られているかで違ってきます。下記に主要素材と使用する主要染料を紹介します。
この表からも分かるように、例えば綿/ポリエステルの素材の場合、2種類の染料で染色する必要があり染色工程も複雑になります。各々の染料には特徴がありますが、これに触れると難しくなるのでここでは素材によって染料が違うということだけ理解して頂ければと思います。
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染色原因による事故事例
ここでは染色が原因となる代表的な事故事例について解説したいと思います。
・色なき
衣料品が雨などで濡れた場合、色のついた部分から白地や淡色部分に染料が移動する現象です。綿・レーヨン・麻などの素材で直接染料や反応性染料を使った場合に起こります。原因は、染色後のソーピング不良・フィックス(色止め)処理不足です。
・変退色(光による)
衣料品が着用中や洗濯後の干しているときなど光にさらされ、使用した染料が変色する現象です。原因は、直接染料を使用した事によるものです。
・変退色(汗と光の複合作用)
汗と光の2つの要因の複合作用で変退色が生じることがあります。これを汗耐光堅牢度(ケンロウド)と言います。一般的な汗堅牢度、耐光堅牢度それぞれの単独試験では問題ない場合でも汗と光の複合作用によって色が変色する現象です。原因は、汗耐光堅牢度対策の染料をしていないことにあります。特にゴルフウエア・テニスウエアなどに問題が起こることがあります。
・変退色(塩素処理水による)
都市の水道水には、殺菌・消毒のための活性塩素が残留していることがあります。この活性塩素が長時間に渡る注水洗いや注水すすぎされ染料に影響し変色を起こす現象です。原因は、活性塩素に弱い反応性染料を使用したことにあり、反応性染料の選択に注意する必要があります。
・変退色(漂白剤による)
家庭用漂白剤としては塩素系(次亜塩素酸ナトリウムなど)と酸素系(過炭酸ナトリウム。過酸化水素など)があります。この内、塩素系の漂白剤を間違って使用したために変色を起こす現象です。原因は洗濯絵表示に記載されている漂白方法に従った取り扱いがされてないためです。
・染料の移行昇華
ポリエステル染料に使われる分散染料は、夏によって繊維表面に染料が移動し色ムラや他の部位絵の汚染が発生する現象が移行昇華です。原因は保管時の温度が上昇したことにあり、染料の選択(カチオン染料)などを使用することが対策です。
・白化
繊維製品がこすられて繊維が毛羽立ち、色が落ちたように白っぽく変色して見える現象です。原因は綿や麻、テンセルなどのセルロース繊維で、内部まで染まっていない場合、内部の白い部分が見えて白くなることです。対策としては、繊維内部までしっかり染めることですが、素材の特徴として対策が難しい場合がありますので、用途にあった素材を選択することが重要です。
以上が染色関係で起こる主な事故です。これ以外にもガスや、使用した副資材(ボタン・ファスナー)などとの相性で起こる事故があります。
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最後に
今回のコラムでは、アパレル製品製造において重要な工程で、アパレル製品の品質という部分でも重要な工程である染色工程にかんする内容を紹介しました。アパレル製品に使われている素材、染色工程、染料などの取り合わせが非常に重要なことも分かって頂けたと思います。
我々アパレルOEM・ODM生産会社は、品質をギャランティーするため縫製だけではなく、紹介した染色工程にも注意しアパレル製品を製造しています。
今回も最後までコラムを読んで頂きありがとうございました‼
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