アパレルは日本製?中国製?どちらが良いか。

私は、約40年前1986年、学校卒業後このアパレル業界に入りました。
その当時のアパレルはほとんどが日本製でした。しかし現在のアパレルの輸入浸透率(輸入品の割合)は、ほぼ100%です。
この様に約40年で一変した業界の生産現場を、アパレルの生産工程別に日本製・中国製を比較してみたいと思います。
現在、日本製以外の海外製はASEAN諸国が増加してきましたが、まだまだ中国製のシェアが高いので、色生産工程別に日本製と中国製との比較で見ていきたいと思います。

私がこの業界に入った1986年というのは、日本製から海外製に移管する大きなターニングポイントであった時期です。1945年の太平洋戦争敗戦後、¥360/$の有利な為替もあって、日本の経済は戦後の荒廃からいち早く立ち直っていきました。(為替以外の要素もありますが)。その後、1971年の「スミソニアン協定」で¥308/$に改定、その後1978年には¥177/$、その後、日本の貿易黒字にもかかわらず$安に転じ、1985年「プラザ合意」で¥240/$から、1年後の短期で1986年末には¥120/$急激な円高になったのが、私がこの業界に入った時でした。
まさに、アパレル製品が日本製から海外製にという時期でした。この様な時代背景の中、アパレル製造工程それぞれ日本製・中国製の比較をしていきたいと思います。

【アパレル製造工程】

紡績工程
製織・製編工程
染色工程
縫製工程・プリント工程・刺繍工程・検品

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アパレルがどの様な製造工程でできるかといえば、大まかに言うと以下です。

紡績(糸を作る)→製織・製編(生地を織る・生地を編む)→染色(生地を染色する)→縫製(生地を裁断し縫製する)プリント工程・刺繍工程・検品

日本の特徴は、この生産工程がほぼ分業化(別の会社)されていることです。
私は、綿紡績会社出身なので、以後の工程については綿関係のアパレル生産についてお話していきます。

紡績工程

私が業界に入った時、綿紡績(綿の糸を作る紡績会社)は大手で10社ありました。私が入社した会社も、日本国内に6紡績工場を保有していました。私が配属になった部署はニット用糸・生地販売(セーターではなくメリヤス用糸・メリヤス生地販売)部隊です。ニット(メリヤス)と言っても分からない方が多いと思いますので簡単に説明しますとTシャツ・トレーナー・パーカー・ポロシャツなどに使われる生地はニット(メリヤス:⭐ニットについてはこちらをクリック、)です。当時の綿糸の販売方法は、大手ユーザー(大手肌着メーカー)と4半期毎に糸の価格を決め、その後、日本国内の繊維生産地の値段を決めるという状況でした。
今では考えられませんが4半期単位で商売を決めていました。4半期とは1年を4分割し、1月〜3月という3ヶ月単位で生産量・価格を決めていたのです。この様な、硬直化した商売形態に加え、急速な円高で、我々綿紡績会社の作る糸の50%ぐらいの価格の安い綿の糸がまずは韓国から、その後、ASEANから輸入されて、一挙に日本の綿紡績会社は綿糸販売市場から追い出される事になりました。
この時代には、まだ中国は登場しません。何故ならまだ日本の市場に対応できる品質の糸すらができなかったからです。その後、中国の会社は、日本の品質に対応するため綿花を厳選し紡績機械などいろいろ投資し、その上、日本からの技術者も迎え入れ、その成果もあり今日では、まったく問題のないレベルまで品質改善してきてます。
ちなみに、現在は日本の紡績会社の生産量すべて合わせても、中国の1紡績工場の生産量にかなわない状況です。

こういう状況なので、紡績工程は日本製は中国製に完敗という状況です。

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製織・製編工程

この工程は紡績工程でできた糸を布にする工程です。
日本の綿の生地を製織(織る)製編(編立する)する生産地は、岡山・兵庫・和歌山・北陸・浜松など各所にあります。中国も中国全土に渡って生産地があります。
日本と中国の大きな差は、まずは後継者の問題です。私が業界入りした時点で既に劇的に取り巻く環境が変化していたのは前述の通りで、その頃、私の知る日本の経営者は事業継続に非常に消極的になってました。一方、中国でのアパレル業は当時は花形国家事業で若い人が従事し、設備投資も盛んな時期でした。
その上、日本の繊維業界でのリストラも相まって、日本技術者人材の流出(中国に流入)もあり中国にアドバンテージがあると思います。生産品種の切り替えも、人員豊富なため日本に比べ早い切り替えが可能の様です。

この工程も、残念ながら中国製に大きくリードされています。

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染色工程

この工程は布に色をつけたりプリントする工程です。
この工程も、製織・製編工程と同じく日本の会社は設備投資・人材問題と停滞してます。中国の会社も平均賃金が上がり人材問題は抱えていますが、一般的に設備投資は進み、新しい設備で省力化が進んでいるようです。
過去、安い染料を使用し事故を多々起こした反省からか、染料も吟味されて色落ちなどの問題は殆どなくなりました。
問題を残しているのは、中国も環境に対する政策が厳しくなってきているため、排水設備に新たに設備投資が必要になりコストアップにつながる要素があります。

将来的には諸々の問題も抱えるものの、この工程においても中国製が勝っていると言えます。

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縫製工程・プリント工程・刺繍工程・検品

この工程は、生地を裁断・縫製、またはワンポイントプリント・刺繍などを行う工程です。
今までの工程でも、中国に優位性がありましたが、この工程で一気にコスト要因の差がでてしまいます。
裁断工程では、日本に比べれば自動裁断機がかなり普及しています。生地の要尺を減らすなどコストダウンの要素は大きいですが、やはり掛ける人間の数も減れせるというメリットは大きいようです。
この裁断した生地を縫製するわけですが、日本の縫製会社で縫っているワーカーの平均年齢は60歳前後が多いように思いますが、中国も高齢化したとはいえ40歳〜50歳ぐらいが一般的と言えます。また、ワーカーの日産目標達成度も他の東南アジア諸国に比べても高いです。これは国民性もあるのでしょうか。この人的な要因に加え、ミシンにもかなりの投資がされている会社が多いので、日本の会社よりは縫製のバリエーションが多いです。

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この工程に加え、プリント・刺繍工程は、日本の会社とは圧倒的な価格差が出るところです。
その要因の一つは、プリント・刺繍工程が、縫製工場の中に内製化されているというところにあります。裁断した材料を運送する手間もなく、運賃・時間的なロスもありませんし、プリントに必要な版代や、刺繍に必要なデーター代など必要ありませんので、かなりコスト差が出ます。
その二つ目の要因は、やはり人件費の差です。個々数年で人件費がアップしたと言ってもまだ30%ぐらいです。プリント工程は、労働集約型なので価格差が大きくなります。

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最後の検品工程は、品質不良品を日本に持ち込まないための最後の砦です。
現在は、日系の検品会社が多数進出しております。水際で品質不良品を止めることができています。この検品工程も労働集約産業なので人件費の安い中国が優位です。

ということで、生産の最終工程でも中国製が勝ってます。

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【まとめ】

以上、生産工程別に日本製と中国製を比較してきましたが、
結果は残念ですが大差で中国製が勝っているという事です。私は、純粋に日本人で中国贔屓ではありませんが、スピード感・対応力・コストの面で日本製は完敗です。
食料品などは、安全面もあり日本製にアドバンテージがありますが、アパレルは日本製という訴求力は弱いようです。
この業界で40年物作りをしてきて、自分の頭の整理も含め今回工程別の比較をしてみました。
今後、オリジナルアパレルブランドを立ち上げる方や、新規事業でアパレルの生産をお考えの方の参考になればと思いますし、
弊社は長年の業界経験を活かし、皆様のアパレル製造のお役に立てると思いますので、ぜひ、以下からお問い合わせ下さい。

 

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このたびは、長々となりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
今後も、アパレルに関する記事を色々な面から書いてまいりますので、
お時間のある時に読んで頂ければと思いますので、宜しくお願いします。


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