みなさん!こんにちは!!
今回のコラムでは、アパレルOEM生産する場合、どうやって商品コスト(製造原価)が決まるかを解説したいと思います。このコラムは、アパレル製品を、「小ロットで安く」作りたいとお考えの方には、少々厳しい内容になるかもしれませんが、最後まで読んで頂いてアパレルOEM生産の実態を理解して頂けたらと思います。
とはいうものの、我々アパレルOEM生産会社は、お客様からの要望に答えるべく、品質にも妥協すること無く1円でも安く作ることに企業努力を割いておりますので、この点も理解して頂ければ嬉しいです。
結論から言うと、
ズバリ!!アパレル製品のコストを決めるのは作成数量です!!
結局は、1品番当りの作成数量が多ければ多いほどコストは下がります。ここからは、なぜこんな残念な結論なのかについてTITLE別に解説していきます。いつものコラムではアパレルOEM生産工程の原料・糸から解説していきますが、今回は多分理解しやすい縫製から解説していきます。
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TITLE
縫製工賃
2次加工
糸・生地価格
その他縫製副資材関係
物流費
最後に
縫製工賃
縫製工賃は作成数量が多ければ多いほど(タダにはなりませんが😅)値段は下がります。
それはなぜか?まず第一に作成数量が多ければ多いほど生産工程での品番(アイテム)切り替えが少なくなり、切り替えの時のミシンの停台(縫っていない時間)がなく生産量が落ちることがなくなるためです。ミシンを停める必要があるのは、品番(アイテム)によって使うミシンの機種が変わる・縫う生地によってミシン調子を変える・縫う生地の色によって縫い糸の色も変える必要性があるためです。
簡単なTシャツの場合、色々な考え方はありますが、1縫製ライン8人とすれば1時間あたり100枚/1ライン縫製し、8時間では800枚/1ラインぐらいは縫いますので、この8時間の間に色変えがあり縫い糸を変えるだけでも、ミシンの掃除・糸の立て替えで1時間は停台してしまうので13%は生産量が下がる、ようするに縫製工賃が上がるということになります。
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また、縫製工程の重要な工程でもある裁断(生地をパーツごとに切る)工賃も、作成数量が多ければ多いほど(タダにはなりませんが😅)値段は下がります。裁断は、生地を何枚も重ね裁断機で一気に裁断します。これも一般的なTシャツの場合、約5mの生地に8枚分のTシャツのパーツ裁断でき、この5mの生地を約15cm重ねると400枚分のTシャツのパーツが裁断できます。小ロットの場合は、この生地の重ねる数量を減らし調整します。この裁断の場合は、同じ時間で重ね枚数を減らし裁断できるパーツ数量を減らすわけですから、自ずと工賃がアップしてしまいます。
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2次加工賃
シルクスクリーンプリント・刺繍などの2次加工も考え方は縫製と同じですが、特にシルクプリントは下の写真のように、クロのプリントデザインをプリントする場合はクロの染料(糊)でプリントしていきます。これを赤のに変える場合は、下の写真でいうと枠のあるシルクスクリーンをクロの染料(糊)が残らないように作業を中断しきれいに洗浄してから赤の染料(糊)をいれプリントしていきます。この様な工程なので、作成数量が少ないと縫製工程と同じく停台が多くコストアップの要因になり値段が上がってしまいます。
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糸・生地価格
アパレル商品に使われる糸は、一般的な糸の場合は作成数量が少ない場合でも価格が大きくアップすることはありません。
一方、生地は布帛(⭐布帛についての詳細はこちらから、)とニット(⭐ニットについての詳細はこちらから、)とは、根本的な生地の作り方から考えると同じく品種の切り替えが少ないほど生地を作る工賃は安くなります。特にニットは布帛に比べ生産効率が高く、Tシャツ40〜50枚ぐらいの生地は1時間ぐらいで編んでしまいます。なので、小ロットの場合は数時間編機を動かしたら、品種の切り替えということになります。編機(下記写真)は品種を変える都度、微妙な調整や掃除が必要になるので縫製などと同じく高くついてしまう訳です。ここまでの工程でできた生地は色がついていない状態なので生機(キバタ)といいます。
この次は、この生機に色を付ける染色です。ニットの場合、染色は染色機(窯ともいう・下記写真)に、水・染料を入れて染色します。投入する水・染料の量は染色する生地に比例するので染色するので、少量を染色するには小さい染色機を使い、多い量の生地を染色するには大きい染色機を使ったりと使い分けます。染色に要する時間は、量には関係なく同じ時間なので、Tシャツ100枚分の生地も1,000枚分の生地も同じ時間で染色するということになり、やはり量が大きほうが効率よく染色工賃が安く上がると言うことになります。
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その他縫製副資材関係
ブランドネーム・洗濯絵表示・ブランド下げ札・ボタン・ジッパーなどの縫製副資材も生地と同じく量が多ければ多いほど値段が安くなります。また、副資材にもよりますが、数量が多ければ安い海外での調達も可能になります。
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物流費
アパレル製品を生産工場からお客様の指定する場所へ送る物流費も作成数量が多ければ多いほど、アパレル製品1枚当たりの価格は安くなります。
輸送方法も、コストの高いクーリエ・AIRから、運賃の安いSHIP便などへ変更が可能になるためです。
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最後に
今回のコラムでは、安く作るなら作成数量を増やすしかない!というような内容になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。なぜ、この様なコラムを書いたかというと、ユ◯◯ロさんの商品・価格をベンチマークにした問い合わせが多いためです。ユ◯◯ロさんは、1アイテム100万枚以上作成されているケースが多々有り、その世界のトップクラスの商品・価格を目指しても、所詮、ユ◯◯ロさんには勝てるはずがありません。アパレル業界も同じようなことを試みてその様なコンセプトの商品は惨敗しているのが現状でだからです。
ただ最初にも言いましたように、
我々アパレルOEM生産会社は、お客様からの要望に答えるべく、品質にも妥協すること無く1円でも安く作ることに企業努力を割いております
ので、これからも引き続きよろしくお願いします。
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今回も、最後までコラムを読んで頂きありがとうございました。
これからも、アパレル繊維業界のいろいろな情報を発信してまいりますのでよろしくお願いします。
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